2006年02月01日

無断リンク禁止に反対する

北九州市教育委員会が発行した「北九州市立小・中・養護学校におけるインターネット運用規定」第9条の3には以下のように書かれています。

学校ホームページのトップページに市立学校の正式名称,校長名,所在地,電話番号・電子メールのアドレス,更新期日,発信した情報の著作権の帰属先を明記すること。併せて,校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記するものとする。

そして 八千代市立新木戸小学校北九州市立中尾小学校、ほかのトップページにそのような表記がなされています。
(リンクの許可を取ってないのでGoogleのキャッシュにリンクしました)

ある2ちゃんねらがそれぞれのサイトにメールでリンクの許可を求めて拒否されたようで、そのことをまとめたページ「許可してください」が作られています。

質問のメールに対して、以下のような返信があったそうです。

「無断でリンクした場合は、見つけ次第削除を求めます。それでも従うことの無 いようでしたら、はっきりと明記していることですので、リンクしているページの内 容等を検討して、最悪の場合は法的に削除を求めることもあると考えています。」

リンクしているページの内 容等を検討して、最悪の場合は法的に削除を求めることもあると考えています。
という言葉は明らかな勘違いから出て来ています。

リンクは著作権法上でいうところの「引用」にもあたりません。
もちろん転載にもあたらず、単に情報のある場所を指し示す参照行為にしか過ぎません。

社団法人著作権情報センター 「マルチメディアと著作権」 (青山学院大学法学部半田正夫著)
「Q15 無断でリンクを張ることは著作権侵害になるでしょうか。」

結論を先にいえば、リンクを張ることは、単に別のホームページに行けること、 そしてそのホームページの中にある情報にたどり着けることを指示するに止まり、 その情報をみずから複製したり送信したりするわけではないので、著作権侵害とは ならないというべきでしょう。

「リンクを張る際には当方に申し出てください」とか、「リンクを張るには当方の 許諾が必要です」などの文言が付されている場合がありますが、このような文言は 法律的には意味のないものと考えて差し支えありません

これは例えば他人の書いた文章(公開されている著作物)を引用する場合を考えてみればわかることです。
「引用」という行為は著作権法上の引用条件さえ満たしていれば自由に行ってよい行為です。

そこにもし「引用禁止」「無断引用禁止」「引用する場合は著作者の許可を得てください」などと書いたとしたら、それは実にばかばかしい主張です。
しかもリンクは引用ですらありません。

○参考リンク『絵文録ことのは「引用」は無断でやるのが当たり前

もともとWebの理念というものが「情報の共有」というところから出発しているものであり、Web上にアップするということは、全世界に向けて情報を公開しているということなのです。

もしも、仲間内だけで閲覧したいというならばそのページにはパスワードをかけるなどの技術的手法によってなされるべきことです(ということらしいです)。

公的教育機関である学校がリンクに対して許可が必要であるがごとくの認識で、それを他者に強要するような態度には大きな疑問を持つところです。

○その他の参考リンク

ウェブページのリンクおよびその他の利用について(東北大学後藤による)

第140回国会参議院文教委員会(1997年5月22日)(政府委員【小野元之文化庁次長】の答弁)

○林久美子君 どうもありがとうございました。
 ちょっと細かいことなんですけれども、ほかのサーバーへリンクを張ること自体、著作権の権利を主張できないと言われておりますね。これは事実なのでしょうか。これがもし事実であれば、ユーザーがAのサーバーにアクセスしたが、このAには求める情報がなく、リンクしているBのサーバーの情報があたかもAのサーバーの情報のごとくユーザーに送信されてきます。この場合、AとBの間においては著作権が発動しないことになりますね。AとBの間は、同一国内もあれば海外同士の場合も考えられます。こうなった場合、著作権上どういう規定になるのでしょうか。
○政府委員(小野元之君) インターネットの世界におきまして、リンクを張るということが先生御指摘のようにあるわけでございます。例えば今WWW、ワールド・ワイド・ウェッブにございまして、あるホームページを開きますと、似たような情報がほかにもありますよということで、そのマークか何かがございまして、矢印か何かがあったりして、そこをクリックいたしますと別のBというホームページに移るわけでございます。そういう意味で、リンクという行為は、あるサーバーからいろんなホームページに飛んでいくことができるわけでございます。
 お話しございましたように、リンクを張る行為というのが一つあるわけでございますけれども、これはAという会社もサーバーで情報をオープンにしているわけでございます。それから、飛んでいく先のBも既にほかのサーバーのところでオープンにしておるわけでございまして、このAからBに飛ぶだけのことについては特段の著作権上の権利は生じないのでございます。
 それぞれのリンク先のサーバーにおきまして、今回の改正にございますような自動公衆送信し得る状態にあるわけでございます。それはですから、AからBに飛んでいくことについても、Bの方も既にサーバーにアップロードされている情報でございますし、Aの方もアップロードされている情報でございます。逆に、BからAに飛ぶことももちろんできるわけでございます。これはたまたまホームページの表示をするためのデータの中に他のホームページの情報も入れておくということにすぎないわけでございまして、この段階で例えば複製権が働くとか、そういった形での著作権法上の利用行為には該当しないのでございます。
 したがいまして、リンクを張る行為自体は現行の著作権法上も、この改正をもしお認めいただいた新しい著作権法の上におきましても自由に行われるものでございまして、リンク先のホームページ作成者の許諾というのは不要だというふうに私どもは考えておるところでございます。
○林久美子君 ありがとうございました。

at 02:09 | Category : いちゃもん・いやがらせ | Comments [0] | TB [0]
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